採用代行の費用相場!サービス内容と委託業者の選び方を解説!

採用代行の費用相場

採用代行って費用はどれくらいかかるの?」

人材不足に悩む企業にとって、採用代行サービスは魅力的な選択肢ですが、その費用相場が分からず導入をためらっている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、採用代行の費用相場を料金体系、雇用形態、業務範囲といった様々な角度から徹底解説します。さらに、採用代行サービスを選ぶ際のポイントもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

このページの監修者
松下 省治
株式会社アイエーピー 代表取締役
専門は、国際税務、国際会計、国際組織再編。経歴はサン・マイクロシステムズ(株)およびSunMicrosystem Inc. 日本及び米国で勤務を行い、国際税務及び米国基準での会計に携わる。デル(株)経理財務部長として日本4社の経理部門の統括を行う。シトリックス・システムズ・ジャパン(株)日本および韓国法人の管理部門統括本部長。

採用代行(RPO)とは

採用代行(RPO)とは、企業の採用業務の一部または全部を外部の専門業者に委託するサービスのことです。RPOは「Recruitment Process Outsourcing」の略称で、近年多くの企業で注目を集めています。

採用代行サービスを利用することで、企業は採用にかかる時間とコストを削減し、より効率的な人材獲得を実現できます。特に中小企業や人事部門の規模が小さい企業にとって、採用代行は大きな助けとなります。

採用代行業者は、求人広告の作成から応募者の選考、内定者フォローまで、採用プロセス全体をサポートします。これにより、企業は本来の事業活動に集中することができ、同時に専門家のノウハウを活用した質の高い採用活動が可能になります。

採用代行が注目されている背景

採用代行サービスが注目を集めている背景には、以下のような要因があります:

  1. 人材不足の深刻化:少子高齢化や景気回復に伴い、多くの業界で人材不足が深刻化しています。
  2. 採用手法の多様化:SNSやAIなど、新しい採用テクノロジーの登場により、専門知識が必要になっています。
  3. コスト削減の必要性:経営効率化の一環として、採用コストの削減が求められています。
  4. 働き方改革:長時間労働の是正により、効率的な採用活動が必要となっています。

これらの要因により、多くの企業が採用代行サービスを活用し、効率的かつ効果的な人材獲得を目指しています。

採用代行に依頼できる業務内容

採用代行サービスでは、以下のような業務を外部に委託することができます:

  1. 求人広告の作成と掲載
  2. 応募者の書類選考
  3. 面接日程の調整
  4. 面接官のトレーニング
  5. 内定者フォロー
  6. 入社手続きのサポート

企業のニーズに応じて、これらの業務の一部または全部を委託することが可能です。採用代行業者と綿密な打ち合わせを行い、最適な業務範囲を決定することが重要です。

採用代行の流れ

採用代行サービスを利用する際の一般的な流れは以下の通りです。各ステップにおいて、採用代行業者と密に連携を取りながら進めていくことが成功の鍵となります。

採用計画の策定

まず、企業の採用ニーズや目標を明確にし、採用計画を策定します。この段階で、以下のポイントを決定します:

  • 募集職種と人数
  • 求める人材像
  • 採用スケジュール
  • 予算

採用代行業者は、企業の要望をヒアリングし、効果的な採用戦略を提案します。

募集・母集団形成

採用計画に基づき、求人広告の作成や掲載を行います。採用代行業者は、以下のような施策を実施します:

  • 求人原稿の作成
  • 適切な求人媒体の選定
  • SNSやリファラル採用の活用
  • 採用イベントの企画・運営

これらの活動を通じて、質の高い応募者を集めます。

応募者対応

応募者からの問い合わせ対応や書類選考を行います。採用代行業者は以下の業務を担当します:

  • 応募者からの質問対応
  • 書類選考の実施
  • 選考結果の通知
  • 面接日程の調整

迅速かつ丁寧な対応により、応募者の離脱を防ぎます。

面接・選考

面接や適性検査など、選考プロセスを実施します。採用代行業者は以下のサポートを提供します:

  • 面接官のトレーニング
  • 面接会場の手配
  • 適性検査の実施と結果分析
  • 選考結果の取りまとめ

公平かつ効果的な選考を行い、最適な人材を見極めます。

内定者フォロー~入社までの手続き

内定者に対するフォローや入社手続きのサポートを行います。以下のような業務が含まれます:

  • 内定通知の作成と送付
  • 内定者との連絡維持
  • 入社前研修の企画・実施
  • 入社手続きの案内と書類準備

内定辞退を防ぎ、スムーズな入社を実現します。

採用代行の費用相場

採用代行サービスの費用は、料金体系や業務範囲によって大きく異なります。ここでは、主な費用相場について解説します。

料金体系による相場違い

採用代行サービスの料金体系は、主に以下の3つに分類されます。

月額固定型(一律料金型)

月額固定型は、業務内容に関わらず毎月一定額を支払う方式です。

  • 相場:10万円~100万円/月
  • メリット:コストの予測が立てやすい
  • デメリット:採用実績に関わらず費用が発生する

中小企業や採用数が少ない企業向けの料金体系です。

従量課金型

従量課金型は、実際に行った業務量に応じて料金が決まる方式です。

  • 相場:応募者1人あたり5,000円~20,000円
  • メリット:業務量に応じた適正な費用負担
  • デメリット:コストの予測が難しい

採用数の変動が大きい企業に適しています。

成果報酬型

成果報酬型は、採用が成立した場合のみ費用が発生する方式です。

  • 相場:年収の20%~35%
  • メリット:採用が成立しなければ費用が発生しない
  • デメリット:1人あたりのコストが高くなる可能性がある

ハイレベルな人材を採用したい企業に向いています。

雇用形態による相場違い

雇用形態によっても、採用代行の費用相場は異なります。

新卒・中途採用

新卒・中途採用の場合、以下のような相場が一般的です:

  • 新卒採用:30万円~100万円/1名
  • 中途採用:年収の20%~35%

新卒採用は一括採用のため、スケールメリットが働きやすくなっています。

パート・アルバイト採用

パート・アルバイト採用の場合、以下のような相場となります:

  • 月額固定型:5万円~20万円/月
  • 成功報酬型:月給の50%~100%

正社員と比べて単価は低くなりますが、採用数が多い場合はコストが嵩む可能性があります。

業務範囲による相場違い

採用代行に依頼する業務範囲によっても、費用は変わってきます。

ノンコア業務のみのサポート

書類選考や日程調整など、ノンコア業務のみを依頼する場合:

  • 相場:5万円~30万円/月

比較的低コストで採用業務の効率化が図れます。

コア業務も含むサポート

面接や最終選考など、コア業務まで含めて依頼する場合:

  • 相場:30万円~100万円/月

高コストになりますが、採用のクオリティ向上が期待できます。

採用代行のメリットとデメリット

採用代行サービスには、様々なメリットとデメリットがあります。自社の状況に合わせて、適切に判断することが重要です。

メリット

採用代行サービスを利用することで、以下のようなメリットが得られます。

コスト削減につながる

採用代行を利用することで、以下のようなコスト削減効果が期待できます:

  1. 人件費の削減:採用専任の社員を雇用する必要がなくなる
  2. 採用ツールの費用削減:高額な採用管理システムの導入が不要になる
  3. 広告費の最適化:効果的な求人広告戦略により、無駄な出稿を抑えられる

特に、採用数が多い企業や、季節変動のある採用を行う企業にとって、大きなコストメリットとなります。

採用広告の運用も依頼できる

採用代行業者は、求人広告の運用にも精通しています。以下のようなメリットがあります:

  1. 効果的な原稿作成:応募者の心に響く魅力的な求人原稿を作成
  2. 適切な媒体選定:ターゲットに合わせた最適な求人媒体を選択
  3. 広告効果の分析:データに基づいた広告運用の改善提案

これにより、より多くの質の高い応募者を集めることが可能になります。

採用の成果が上がりやすい

採用のプロフェッショナルによるサポートにより、以下のような効果が期待できます:

  1. 採用ノウハウの活用:業界トレンドや最新の採用手法を取り入れられる
  2. 客観的な視点:社内の固定観念にとらわれない人材評価が可能 3. 応募者対応の品質向上:迅速かつ丁寧な対応により、優秀な人材の獲得確率が上がる

結果として、より質の高い人材を効率的に採用できる可能性が高まります。

コア業務に集中できる

採用業務を外部委託することで、以下のようなメリットが生まれます:

  1. 業務効率の向上:本来の事業活動に人的リソースを集中できる
  2. 採用担当者の負担軽減:繁忙期の長時間労働を回避できる
  3. 経営戦略への注力:人材戦略の立案など、より重要な業務に時間を割ける

これにより、企業全体の生産性向上につながります。

デメリット

一方で、採用代行サービスには以下のようなデメリットも存在します。

採用のノウハウが自社に蓄積されにくい

採用業務を外部委託することで、以下のような課題が生じる可能性があります:

  1. 社内の採用スキル低下:採用ノウハウが社内に蓄積されにくくなる
  2. 依存度の上昇:採用代行業者への依存度が高まり、自社での採用が困難になる
  3. 長期的なコスト増:継続的な外部委託により、総合的なコストが増加する可能性

これらの課題を回避するためには、採用代行業者とのコミュニケーションを密に取り、ノウハウの共有を図ることが重要です。

応募者との直接的な接点が減る

採用代行を利用することで、以下のようなリスクが考えられます:

  1. 企業文化の伝達不足:自社の魅力や企業文化を直接伝えられる機会が減少
  2. ミスマッチの可能性:応募者の本音や細かなニュアンスを把握しづらくなる
  3. 入社後のギャップ:入社前のイメージと実際の職場環境にズレが生じる可能性

これらのリスクを軽減するためには、重要な面接は自社で行うなど、直接的な接点を確保することが大切です。

自社の希望とのミスマッチが起こる可能性も

採用代行業者と自社の認識にズレが生じると、以下のような問題が起こる可能性があります:

  1. 求める人材像のミスマッチ:理想の候補者像が正確に伝わらない
  2. 選考基準の不一致:自社の価値観や基準が反映されない選考結果
  3. 採用計画との乖離:想定外の採用コストや採用数の増加

これらの問題を防ぐためには、採用代行業者との綿密なコミュニケーションと、定期的な進捗確認が欠かせません。

採用代行サービスを選ぶ際のポイント

採用代行サービスを効果的に活用するためには、適切な業者選びが重要です。以下のポイントを参考に、自社に最適な採用代行サービスを選択しましょう。

目的を明確にする

採用代行サービスを利用する目的を明確にすることが、成功の第一歩です。以下のような点を考慮しましょう:

  1. 採用数の増加:より多くの優秀な人材を確保したい
  2. 採用コストの削減:効率的な採用活動でコストを抑えたい
  3. 採用期間の短縮:迅速に必要な人材を獲得したい
  4. 採用業務の効率化:社内リソースを他の業務に集中させたい

目的が明確になれば、それに適した採用代行サービスを選びやすくなります。

依頼範囲を明確にする

採用代行に委託する業務範囲を事前に決めておくことが重要です。一般的に以下のような範囲があります:

  1. 求人広告の作成と掲載
  2. 応募者の書類選考
  3. 面接日程の調整
  4. 一次面接の実施
  5. 内定者フォロー
  6. 入社手続きのサポート

自社で行いたい業務と外部委託したい業務を明確に区分けし、採用代行業者と共有しましょう。

実績を確認する

信頼できる採用代行業者を選ぶために、以下のような実績を確認することをおすすめします:

  1. 過去の採用成功事例:特に、自社と似た業界や規模の企業での実績は参考になります。
  2. 同業他社での導入実績:競合他社がどのような採用代行サービスを利用しているかを知ることも役立ちます。
  3. 顧客満足度や継続利用率:顧客からの評価や、継続して利用している企業が多いかどうかも重要な指標です。
  4. 業界内での評判や口コミ:業界内での評判や、実際に利用した企業の口コミも参考にしましょう。

実績豊富な業者を選ぶことで、質の高いサービスを受けられる可能性が高まります。

採用代行の体制を確認する

採用代行業者の体制を事前に確認することで、スムーズな連携が期待できます。以下のポイントをチェックしましょう:

  1. 担当者の経験とスキル:自社の採用課題を理解し、適切な提案をしてくれる担当者を選びましょう。
  2. サポート体制(緊急時の対応など):何か問題が発生した場合でも、迅速かつ丁寧に対応してくれるサポート体制が整っているかを確認しましょう。
  3. 使用するツールや技術:最新の採用ツールや技術を活用している業者を選ぶことで、効率的な採用活動が期待できます。
  4. セキュリティ対策:自社の採用情報を扱うため、情報セキュリティには十分な注意が必要です。個人情報保護に関する取り組みやセキュリティ対策について確認しましょう。

まめにコミュニケーションを取る

採用代行サービスを効果的に活用するためには、継続的なコミュニケーションが欠かせません。以下のような取り組みを心がけましょう:

  1. 定期的な進捗報告会の実施:採用活動の進捗状況や課題について、定期的に報告会を行い、共有しましょう。
  2. 採用基準や求める人材像の共有:自社の求める人材像や採用基準を明確に伝え、採用代行業者との認識のズレを防ぎましょう。
  3. フィードバックの提供と受け取り:採用代行業者からの提案や報告に対して、積極的にフィードバックを行い、改善につなげましょう。
  4. 課題や改善点の迅速な共有:採用活動中に課題や改善点が見つかった場合は、速やかに共有し、対応策を検討しましょう。

密なコミュニケーションにより、自社のニーズに合った採用活動が実現できます。

採用代行のまとめ

採用代行(RPO)サービスは、企業の採用活動を効率化し、質の高い人材獲得をサポートする有効な手段です。以下に、本記事のポイントをまとめます。

採用代行サービスを活用する際は、自社の状況や目的を十分に考慮し、適切なサービスを選択することが成功の鍵となります。また、採用代行業者との密接な連携を通じて、より効果的な採用活動を実現することができるでしょう。

企業の成長と発展には、優秀な人材の確保が不可欠です。採用代行サービスを戦略的に活用することで、競争力のある組織づくりを進めていくことができるでしょう。