【相場も紹介】経理業務をフリーランスに依頼するメリット・デメリット!

経理業務の費用を抑えるために、フリーランスへの経理業務の代行を依頼することも選択肢で考えている方や、アウトソーシング会社より柔軟な対応を期待されている方へ、本記事では経理業務をフリーランスに依頼するメリット・デメリット、費用の相場を紹介します。

フリーランスへ依頼するデメリットについても詳しく解説するので、アウトソーシング専門企業に依頼するかどうかの判断材料となることでしょう。

このページの監修者
松下 省治
株式会社アイエーピー 代表取締役
専門は、国際税務、国際会計、国際組織再編。経歴はサン・マイクロシステムズ(株)およびSunMicrosystem Inc. 日本及び米国で勤務を行い、国際税務及び米国基準での会計に携わる。デル(株)経理財務部長として日本4社の経理部門の統括を行う。シトリックス・システムズ・ジャパン(株)日本および韓国法人の管理部門統括本部長。

経理代行フリーランスのタイプと相場

フリーランスの経理代行は、多様な背景を持つ専門家です。主に以下のような人々が経理代行として活躍しています。

  • 優秀で独立している方
  • 子育てしながらフリーランスで仕事している方
  • 本業は会社勤めで副業として

フリーランスの方のタイプと相場を詳しく解説していきます。相場はあくまで目安であり、フリーランスの方は人により相場の幅が異なるため、参考情報としてご覧ください。

優秀で独立している方

経理のスキルと経験を持ち、自身のキャリアを自由に設計したい人々です。彼らは以前の職場で培った専門知識を活かし、独立して経理サービスを提供しています。

費用相場100,000~300,000円
1日あたりの対応可能時間1.5時間~3時間
急ぎの対応人によるが難しい場合も多い
稼働時間帯平日の終日、人により土日祝も対応している

子育てしながらフリーランスをしている方

仕事と家庭の両立を図りたい親が、フレキシブルな働き方として経理代行を選択するケースも多いです。子育ての合間に専門スキルを活かせる点が魅力となっています。

こちらのケースは非常に優秀で現在はフレキシブルな働き方をしている方から、一般社員として働き子供ができてから職場を離れた方まで様々です。

費用相場50,000~300,000円
1日あたりの稼働時間1時間~5時間
急ぎの対応ご家庭の事情により様々
稼働時間帯平日10時~15時か夜遅い時間

本業は会社勤めで副業として

フルタイムの仕事を持ちながら、スキルアップや収入増を目的に副業として経理代行を行う人もいます。夜間や週末を利用して、追加の経理業務を請け負っています。

費用相場30,000~100,000円
1日あたりの稼働時間1時間~3時間
急ぎの対応平日の日中は難しい
稼働時間帯夜の19時~22時 土日祝日

経理業務をフリーランスに依頼するメリット

フリーランスの経理代行を活用することで、企業は様々なメリットを享受できます。

経理部門の一部分のみを依頼することができる

企業は経理業務全体を委託する必要はありません。仕訳入力や給与計算など、特定の業務のみをフリーランスに依頼することで、効率的なリソース配分が可能になります。

ミッション型・ジョブ型の採用も可能

プロジェクトベースや特定の期間限定で経理業務を依頼することができます。これにより、繁忙期や特殊な案件に柔軟に対応できます。

優秀な人材に10~30万程度で依頼できる

フルタイムの経理担当者を雇用するよりも低コストで、高度なスキルを持つ専門家に業務を依頼できます。企業規模や業務量に応じて、柔軟に予算を調整することが可能です。

採用前に試用として依頼ができる

正式な雇用契約を結ぶ前に、短期プロジェクトや試用期間を設けることで、フリーランスの経理代行のスキルと相性を確認できます。これにより、ミスマッチのリスクを軽減できます。

外注経費で計上できる

フリーランスへの支払いは外注費として計上できるため、固定費を抑えつつ必要な経理サービスを受けられます。これは、特に中小企業やスタートアップにとって財務管理の面で有利です。

社会保険・消費税が安くなる

正社員を雇用する場合と比べて、社会保険料の負担がありません。これにより、全体的なコスト削減につながります。

採用・雇用リスクが低い

長期的な雇用契約を結ぶ必要がないため、業務量の変動に応じて柔軟に対応できます。また、人材のミスマッチや解雇に伴うリスクも軽減されます。

経理業務をフリーランスに依頼するデメリット

メリットがある一方で、フリーランスの経理代行を利用する際には以下のようなデメリットも考慮する必要があります。

実際に業務スタートしないと見えないデメリットがある

書類上のスキルや経験だけでは判断できない、実務能力や仕事の進め方の違いが明らかになる場合があります。これは、初期段階での綿密なコミュニケーションと期待値の擦り合わせが重要であることを示しています。

急に仕事を断られる可能性もある

フリーランスは複数のクライアントを抱えている可能性が高く、急な体調不良や他の優先度の高い仕事が入った場合に、予定していた業務を断られるリスクがあります。これに備えて、バックアップ体制を整えておくことが賢明です。

こちらの時間の都合に合わせられない時がある

フリーランスには自身の時間管理があるため、企業側の急な要望や変更に柔軟に対応できない場合があります。特に重要な締め切りや会議がある場合は、早めの連絡と調整が必要です。

急ぎの対応がしてもらえない時もある

緊急の作業や質問への即時対応を常に期待することは難しい場合があります。これは、フリーランスの働き方の特性を理解し、可能な限り計画的に業務を進行させることの重要性を示しています。

信頼できる人かどうかを見分けるのが難しい

経歴や推薦状だけでは、フリーランスの真の能力や信頼性を完全に判断することは困難です。これを克服するためには、段階的な業務委託や試用期間の設定、詳細な面談プロセスの導入などが有効です。

組織的なチェックがやりにくい

社内の経理部門と比較して、フリーランスの業務に対する日常的な監督やチェック体制が不足しがちです。この問題に対処するには、定期的な報告会や中間チェックポイントの設定が効果的です。

セキュリティ・情報漏洩のリスクがある

機密性の高い財務情報を外部の人間に委託することには、常にセキュリティリスクが伴います。このリスクを最小限に抑えるために、厳格な機密保持契約の締結やセキュアな情報共有システムの利用が不可欠です。

業務量に限界がある

一人のフリーランスに依頼できる業務量には自ずと限界があります。企業の成長に伴い業務が拡大した場合、複数のフリーランスを起用するか、最終的には内部での経理体制の構築を検討する必要が出てくる可能性があります。

まとめ

フリーランスの経理代行を活用することで、企業は柔軟性とコスト効率の高い経理体制を構築できます。しかし、その一方でコミュニケーションの課題やセキュリティリスクなど、考慮すべき点も多くあります。

重要なのは、企業のニーズと成長段階に合わせて、フリーランスの経理代行を戦略的に活用することです。適切な人材選びと明確な期待値の設定、そして継続的なコミュニケーションを通じて、フリーランスの経理代行との協業を成功させることができるでしょう。

最終的に、フリーランスの経理代行を選択するかどうかは、各企業の状況や長期的な財務戦略によって異なります。メリットとデメリットを慎重に検討し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けながら、最適な経理体制を構築することが重要です。