「経理が辞める会社はやばいというのは本当だろうか」「会社の業績や将来性は大丈夫だろうか」と、悩んでいないでしょうか。
経理が辞める会社はやばいと言われますが、必ずしもやばいとは限りません。退職は人間関係や評価に対する不満など、会社の業績とは関係ない可能性があります。
この記事では「経理が辞める会社は財務が悪化しているのか」について解説します。退職する理由やリスクに対応する方法についても、分かる内容になっています。
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経理が辞める会社はやばいのか?
経理担当者の退職は、一見するとその会社にとってマイナスに思えるかもしれません。しかし、必ずしも「会社はやばい」という状況とは限りません。退職の理由や会社の規模、引き継ぎ体制など、さまざまな要因によって状況は異なります。
経理は会社のお金の流れを管理する、重要な役割を担っています。しかし、退職理由がキャリアアップ、結婚、出産などの個人的な事情であれば、会社経営に直接的な悪影響はないでしょう。一方、給与未払い、違法行為への加担要求、過重労働などの会社側の問題が原因であれば、注意が必要です。
経理担当者の退職によって会社が直ちにやばい状況に陥るわけではありませんが、資金繰りの悪化や決算業務の遅延などのリスクを避けるためには、事前の対策が重要です。
具体的な対策については後述します。
経理の退職による企業のやばいリスク
経理担当者が退職した場合、以下のリスクが発生する恐れがあります。
- 代金回収・支払いにミスが発生する
- 経理業務のブラックボックス化
- 業務の引継ぎが難しい
- 会社の先行きがやばいと思われる
代金回収・支払いにミスが発生する
経理担当者が退職すると、請求書の発行や入金確認、支払処理など、お金の出し入れに関する業務にミスが発生しやすくなります。
例えば、請求書の発行が遅れたり、入金漏れが発生したりすると、取引先との信頼関係が損なわれるでしょう。また、支払いが遅れたり、二重払いをしてしまったりすると、会社の信用問題に発展する可能性もあります。
ミスを防ぐためには、経理担当者の業務を標準化し、マニュアル作成が重要です。また、経理担当者の退職が決まったら、速やかに後任者を育成し、業務の引継ぎをスムーズにする必要があります。
経理業務のブラックボックス化
経理担当者が独自のやり方で経理処理していた場合、他の社員がその内容を理解できず、業務の引き継ぎが困難になるかもしれません。また、経理担当者が作成した資料やデータが整理されていなかったり、保管場所が不明だったりすると、必要な情報を探すのに時間がかかり、業務効率が低下する可能性もあります。
経理業務のブラックボックス化は、不正やミスを招きやすく、企業の経営に深刻な影響を与える可能性があるため、注意が必要です。
業務の引継ぎが難しい
税務申告や決算業務などは、専門的な知識が必要なため、短期間での引継ぎは困難です。
引継ぎが不十分なまま経理担当者が退職すると、業務が滞り、会社の運営に支障が生じる恐れがあります。例えば、税務申告が遅れると、延滞税が発生したり、税務調査が入ったりすることもあるでしょう。また、決算業務が遅れると、株主総会が開けなかったり、銀行からの融資が受けられなくなることも考えられます。
このようなリスクを避けるためには、余裕を持って引継ぎ期間を設定し、後任者がしっかりと業務を習得できるようなサポートが大切です。また、税理士や会計事務所などの専門家に協力を依頼することも有効です。
会社の先行きがやばいと思われる
経理担当者の退職は、社内外に「会社はやばいのではないか」というネガティブな印象を与える恐れがあります。特に、短期間で複数の経理担当者が退職した場合や、経験豊富なベテラン社員が退職した場合などは、会社の経営状況が悪化しているのではないかと疑われてしまうでしょう。
このようなネガティブな印象は、取引先や金融機関からの信用を失墜させ、会社の資金調達や取引に悪影響を及ぼす可能性があります。
状況に応じて経理担当者の退職理由を社内外に説明し、会社の経営状況に問題がないことをアピールすることや、後任者の採用を進め、業務の継続性を確保することも重要です。
経理担当者が退職する理由
経理担当者は会社の経営状態を誰よりも把握しているからこそ、将来に不安を感じて退職してしまうことがあります。具体的には以下が考えられます。
- 会社が倒産すると感じている
- 人間関係が上手くいっていない
- 評価に対する不満
- 経理部門が手薄のため責任が重い
- ジョブローテーションがない
会社が倒産すると感じている
経理担当者は、日々の業務を通じて会社の資金繰りや収益状況を把握しています。売掛金の回収が滞っていたり、借入金の増加、キャッシュ不足で支払いが困難になった場合などの財務状況の悪化をいち早く知ることができます。
例えば、会社の売上が減少傾向にあり、資金繰りが悪化している状況を把握している経理担当者は、会社の将来に不安を感じ転職を考えるかもしれません。また、会社の経営者が適切な対策を取らない場合は、さらに退職の意思を強める可能性があります。
人間関係が上手くいっていない
経理部門は専門性が高く、業務内容も他の部署とは異なるため、コミュニケーションが不足しがちです。また、少人数で構成されることが多いため、人間関係が固定化しやすく、一度関係が悪化すると修復が困難になる場合があります。
例えば、上司との関係が悪化し、日常的に叱責されたり、無視されたりする状況が続くと精神的なストレスが大きくなり、退職を考えるかもしれません。また、同僚との関係が悪化し、協力体制が築けない場合も業務効率が低下する可能性があります。
評価に対する不満
経理部門は、営業部門のように直接的な売上を生み出すわけではありません。業務の重要性が理解されにくく、評価が低くなりがちです。また、昇進の機会も限られており、キャリアアップが難しいと感じることがあります。
長年勤めていても給与が上がらず、昇進の機会も与えられなければ不満が募ります。自分の仕事が正当に評価されていないと感じ、モチベーションが低下した結果、転職を考えるかもしれません。
経理部門が手薄のため責任が重い
経理部門は、日々の会計処理から決算業務、税務申告まで、幅広い業務を担当します。人員が不足している場合、これらの業務を限られた人数でこなさなければならず、残業が増えたり、休日出勤が必要になる恐れがあります。
繁忙期に業務が集中し長時間労働が続くと、心身ともに疲弊し、退職を考えるかもしれません。また、人員不足によりミスが発生するリスクが高まり、責任を感じて退職を決断するケースもあります。
ジョブローテーションがない
経理部門は、専門的な知識やスキルが求められるため、他の部署への異動が難しい場合があります。キャリアパスが限定され、将来的なキャリアプランが見えにくくなることがあります。
経理業務にやりがいを感じていても、将来的なキャリアアップが見込めない場合、転職を考えるかもしれません。また、他の部署での経験を積みたいという希望があっても異動の機会が与えられない場合は、不満に感じるでしょう。
経理退職リスクに対応する方法
経理担当者が退職してしまうと、業務が滞り、会社の運営に支障をきたす可能性があります。特に、中小企業では経理担当者が一人しかいないことも多く、退職リスクは深刻な問題です。しかし、事前に以下2つの対策でリスクを軽減できます。
- マニュアルをしっかり残しておく
- アウトソーシング・代行を利用する
マニュアルをしっかり残しておく
マニュアルがあれば、新しい担当者がすぐに業務を理解し、ミスなく業務の引き継ぎができます。
日々の仕訳入力の手順や月次決算の締め作業、年末調整の手続きなど、経理業務の各プロセスを詳細にマニュアル化します。また、会計ソフトの使い方や、税務署への提出書類の作成方法などもマニュアルに記載しておくと良いでしょう。
アウトソーシング・代行を利用する
アウトソーシングや代行サービスを利用すると、社内に経理担当者を確保する必要がなくなり、人材不足や退職リスクを回避できます。専門的な知識や経験を持つプロに業務を委託できるため、業務の質の向上や効率化も期待できます。
日々の記帳代行、給与計算代行、月次決算代行、年末調整代行など、様々な経理業務をアウトソーシング可能です。会社の規模や予算に合わせて、必要なサービスを選択しましょう。
退職を想定して経理アウトソーシングを利用するメリット
経理アウトソーシングを利用するメリットは以下が考えられます。
- 経理の退職リスクを最小限に軽減できる
- 属人化されず仕組みで業務が回る
- 後任の業務引継ぎがスムーズにできる
- サービスを追加すれば経理不在でも業務が回る
経理の退職リスクを最小限に軽減できる
経理担当者の退職は、引き継ぎや後任採用に時間とコストがかかるだけでなく、業務の停滞やミス発生のリスクも伴います。アウトソーシングなら、専門のチームが業務を引き継ぐため、こうしたリスクを最小限に抑えられます。
経理担当者が病気で長期休暇を取ることになった場合でも、アウトソーシング先が業務を代行してくれるので、業務が滞る心配はありません。また、担当者が退職した場合でも、すぐに新しい担当者に引き継ぎできるので、業務への影響を最小限に抑えられます。
属人化されず仕組みで業務が回る
アウトソーシング先の会社は、標準化された業務プロセスを持っているため、担当者が変わってもスムーズに業務を引き継ぎできます。経理担当者が独自のやり方で業務していた場合、後任者はそのやり方を理解するのに時間がかかります。
しかし、アウトソーシング先の会社であれば、標準化された業務プロセスに従って業務が行われるため、後任者はすぐに業務を始めることが可能です。
後任の業務引継ぎがスムーズにできる
アウトソーシング先には、業務のマニュアルや手順書が整備されているため、後任者はそれらを参照しながら業務を覚えられます。不明点があれば、アウトソーシング先に質問できるため、安心して業務を引き継ぎができます。
サービスを追加すれば経理不在でも業務が回る
経理アウトソーシングを利用する場合、基本的な経理業務だけでなく、給与計算や年末調整などの業務もアウトソーシングできます。これらの業務もアウトソーシングすることで、経理担当者が不在でも業務を回せるでしょう。
まとめ
経理担当者の退職は、必ずしも会社がやばい状況とは限りません。退職理由が個人的な事情であれば、会社経営への直接的な悪影響はありません。しかし、資金繰り悪化や決算業務遅延のリスクを避けるためには、事前の対策が重要です。
具体的には、マニュアル作成やアウトソーシングの活用が有効です。マニュアルがあれば、新しい担当者がスムーズに業務を引き継ぎできます。アウトソーシングを利用すれば、人材不足や退職リスクを回避し、専門知識を持つプロに業務を任せられるでしょう。
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