経理業務の代行・アウトソーシングは、依頼する内容やアウトソーシング企業により様々であり、依頼する側の規模や経理業務の状況により大きく異なります。経理代行・アウトソーシングは、中長期的に依頼することが多く、料金相場を理解した上でアウトソーシング・代行企業に相談すべきです。
本記事では、経理代行・アウトソーシングのサービス内容から料金相場、費用を抑えるポイントまで詳しく解説します。通常のアウトソーシング企業への費用だけでなく、個人事業主・フリーランスに依頼した場合の費用まで解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
自社の経理代行・アウトソーシングの費用を知りたい方はアイエーピーに見積もりをご相談ください。
経理代行・アウトソーシングサービスに依頼できる業務
経理代行・アウトソーシングサービスでは、主に以下6つの業務を依頼することができます。経理業務におけるどの業務を依頼するかにより、代行・アウトソーシング費用の相場が異なってきます。
- 売掛金・買掛金管理(請求書管理)
- 支払い・入金確認業務
- 経費精算・領収書管理
- 記帳業務
- 給与計算・年末調整
- 月次決算・年次決算書の作成
これらの業務を外部の専門家に任せることで、自社の経理部門の負担を大幅に軽減し、コア業務に集中することが可能になります。
また、上記の経理業務が体系化されておらず、属人化している業務がある場合でもアウトソーシングを依頼できる場合があります。経理部門を強化しつつ、ツールの導入を含めた仕組み作りも行ってくれるアウトソーシング企業もあり、その場合は費用が高くなります。
売掛金・買掛金管理(請求書管理)
売掛金・買掛金管理は、企業の資金繰りに直結する重要な業務です。経理代行サービスでは、請求書の発行から入金管理、支払い管理まで一括して依頼することができます。
請求書の作成と送付、入金確認、支払い予定の管理と振込業務などが含まれます。また、滞納顧客への督促や、取引先との支払い条件の交渉サポートも行うことがあります。
売掛金・買掛金の管理を強化することにより、キャッシュフローの改善や、取引先との良好な関係維持も期待できます。
支払い・入金確認業務
支払いと入金の確認は、日々の経理業務の中でも特に重要であり、経営者が財務状況や取引状況を確認するためにも重要な部分です。経理代行サービスでは、銀行口座やクレジットカードの明細を確認し、各取引を正確に記録します。
入金があった場合は、どの請求に対する入金なのかを特定し、売掛金との消込作業を行います。また、支払いに関しては、期日管理を行い、適切なタイミングで支払いを実行します。
加えて、定期的な報告書を作成することで、経営者が財務状況を容易に把握できるようサポートします。
経費精算・領収書管理
経理代行・アウトソーシングサービスでは、従業員から提出された経費申請書と領収書の照合、内容の確認、承認プロセスの管理、実際の精算まで一貫して行うことができます。
経費精算と領収書管理は、多くの企業で手間がかかる業務の一つです。
また、領収書のデジタル化や、クラウド上での保管なども行い、紛失のリスクを減らすとともに、後々の税務調査にも対応できるよう整理します。
さらに、経費の分析レポートを作成することで、コスト削減のための提案なども可能です。これにより、従業員の負担軽減と同時に、不正な経費申請の防止にも役立ちます。
記帳業務
記帳業務は、すべての経理作業の基礎となる作業ですが、記帳は正確かつ漏れのないようにしていく必要があります。社内で完結させることもできますが、経理業務が繁忙期などで大幅に増えたときに、記帳のミスが起こる可能性があります。
経理代行・アウトソーシングサービスを利用すると、依頼しているタスクについては自社の繁忙期と関係なく着実にこなしてくれます。
日々の取引を正確に仕訳し、総勘定元帳に記録します。具体的には、売上や仕入れ、経費、資産の増減など、あらゆる取引を適切な勘定科目に振り分けて記録します。
また、消費税の区分記載や、固定資産の減価償却費の計算なども依頼できます。正確な記帳は、月次決算や年次決算の基礎となるだけでなく、経営判断に必要な財務情報を閲覧したいときに、スピーディーに確認することができます。
記帳業務は決算書作成と税務申告に直結する業務ですが、こちらを正確かつ漏れのないように行っておくことで、決算前後の経理業務の負担を大幅に削減することができます。
給与計算・年末調整
経理代行・アウトソーシングサービスは、従業員の基本給や各種手当の計算、社会保険料や所得税の控除、賞与の計算など、複雑な給与計算業務を提供してくれます。毎月の給与明細の作成や、給与振込データの準備なども代行します。
アウトソーシングの企業によっては、人事業務のアウトソーシングとしてサービスを提供している企業もあります。
アイエーピーでは、人事・労務管理・給与計算のアウトソーシングとしてサービス提供をしています。
年末調整に関しては、従業員からの各種申告書の回収、控除額の計算、還付金や追加徴収額の算出、源泉徴収票の作成まで一貫して行います。
さらに、給与関連の法改正にも常に対応し、最新の法令に準拠した給与計算を提供します。これにより、人事部門の負担を大幅に軽減するとともに、従業員の満足度向上にも貢献します。
月次決算・年次決算書の作成
月次決算と年次決算書の作成は、企業の財務状況を把握し、資金調達や経営判断を行うために常に最新のものを持っておくことが理想です。経理代行・アウトソーシングサービスを利用すると、日々の取引データを基に、月次で損益計算書や貸借対照表などの財務諸表を作成することができます。
年次決算では、1年間の取引を総括し、法人税法や会社法に準拠した決算書類を作成します。具体的には、損益計算書、貸借対照表、株主資本等変動計算書、個別注記表などを作成し、必要に応じて附属明細書まで準備ができます。
経理代行・アウトソーシングする企業によっては、会計事務所・税理士レベルの決算書を作成してくれます。財務分析レポートの提供や、経営改善のための提案などまで行う経理代行・アウトソーシング企業もあります。
以上のように、経理代行・アウトソーシング企業に、どの業務、そしてどのレベルで依頼するかにより、経理代行・アウトソーシングの相場は大幅に変わってきます。
経理代行・アウトソーシング企業の料金表(相場)
経理代行サービスの料金は、依頼する業務の内容や量によって大きく異なります。ここでは、主な4つの業務ごとの料金相場を詳しく紹介します。
- 請求書管理・売掛金と買掛金の管理料金の相場
- 記帳代行の相場
- 給与計算代行の相場
- 決算書作成代行の相場
ただし、これらはあくまで目安であり、実際の料金は各企業の規模や業種、取引量などによって変動することに注意してください。
もし質にこだわった経理代行・アウトソーシングを依頼する場合や、国際ビジネスやM&A、IPO業務などの経理業務の代行・アウトソーシングの費用を知りたい場合は、経理代行・アウトソーシングのiAPにご相談ください。
請求書管理・売掛金と買掛金の管理料金相場
請求書管理や売掛金・買掛金の管理料金は、一般的に月額2万円〜10万円程度です。この料金範囲の違いは、主に以下の要因によって生じます:
- 取引量:月間の請求書発行数や取引先の数が多いほど、料金は高くなります。
- 管理の複雑さ:取引条件が複雑だったり、外貨取引が多かったりする場合、料金が上がる傾向にあります。
- サービス内容:単純な記録だけでなく、入金予測や与信管理などの高度なサービスを含む場合、料金は高くなります。
- レポート頻度:週次や日次など、より頻繁な報告を求める場合、料金は上昇します。
例えば、月間50件程度の請求書管理であれば月額3万円前後、200件を超えるような場合は8万円以上になることもあります。また、滞納管理や督促業務を含める場合、さらに1〜2万円程度上乗せされることが一般的です。
記帳代行の料金相場
記帳代行の料金相場は、月額6万円〜20万円程度です。料金相場の幅がとても広い分野ですが、料金範囲は以下のような要因によって決まります。
- 取引数:月間の仕訳数が多いほど、料金は高くなります。例えば、月間100仕訳程度であれば4万円前後、500仕訳を超えると15万円以上になることもあります。
- 業種:製造業など、原価計算が複雑な業種は料金が高くなる傾向があります。
- 記帳方法:単式簿記か複式簿記か、また使用する会計ソフトによっても料金が変わります。
- 月次決算や資金管理:毎月経営分析などを行い経営の手助けとする。また資金の効率利用などの分析や調達サポートなども追加でお願いできます。
記帳代行には「丸投げ型」と「自計化支援型」があり、後者の方が料金を抑えられる傾向にあります。自計化支援型では、日々の入力は企業側で行い、経理代行会社はチェックと修正、仕訳アドバイスなどを行います。
給与計算代行の料金相場
給与計算代行の料金相場は、従業員1人あたり月額1,000円〜4,000円程度です。この料金範囲の違いは、主に以下の要因によって生じます:
- 従業員数:一般的に、従業員数が多いほど1人あたりの単価は下がります。例えば、10名以下の場合は1人3,000円程度、100名を超える場合は1人1,500円程度になることがあります。
- 給与体系の複雑さ:基本給のみの単純な体系なら安く、様々な手当や歩合給がある場合は高くなります。
- 給与支給頻度:月1回の場合は標準的な料金ですが、週払いや日払いのオプションがある場合は割増料金になります。
- 追加サービス:社会保険サービスや社会保険の算定や年末調整の代行。勤務表管理など追加サービスがあります。
給与計算の場合、1人あたりの料金の他に、初期費用として、給与規程の確認や給与データの移行などで5万円〜10万円程度かかることもあります。
ただし、代行・アウトソーシング企業によって、初期費用が無料の場合もあります。代行・アウトソーシングの相談段階では、複数社から見積もりを取ることをおすすめします。
決算代行の料金相場
決算代行の料金相場は、年間20万円〜50万円程度です。この料金範囲の違いは、主に以下の要因によって決まります:
- 会社の規模:売上高や資産規模が大きいほど、料金は高くなります。例えば、年商1,000万円程度の小規模企業なら20万円前後、1億円を超える中規模企業なら30万円以上になることも珍しくありません。
- 業種:製造業など、棚卸資産の評価が必要な業種や、特殊な会計処理が必要な業種は料金が高くなる傾向にあります。
- 決算頻度:年1回の決算なら標準的な料金ですが、四半期決算や半期決算のニーズがある場合は料金が上昇します。
- 税務申告の有無:決算書の作成だけでなく、法人税や消費税の申告も含む場合、料金は高くなります。
- 追加サービス:株主総会資料の作成、税務調査の立ち会い、経営分析レポートの提供なども料金に影響します。
また、月次・年次の決算代行は、経理代行・アウトソーシングの業務にインクルーシブで提供されることもあり、その場合は料金体系が異なることがあります。例えば、月額15~20万円の経理代行・アウトソーシングの契約で、請求書管理や記帳代行、決算代行、税務申告までをカバーできる企業もあります。
個人事業主(フリーランス)に依頼した場合の料金相場
個人事業主(フリーランス)に経理代行・アウトソーシングをすると、代行・アウトソーシング企業の半額程度で依頼できることがあります。
税務申告に関する相談や、申告書の作成指導、申告書の作成代行や税務署への提出代行は税理士でなければ行えません。
フリーランスの経理代行者に依頼する際は、以下の点に注意しましょう:
- 経験と専門知識:会計ソフトの使用経験や、関連する資格(簿記検定など)の有無を確認しましょう。
- 守秘義務:個人情報や経営情報の取り扱いについて、明確な規定があるか確認しましょう。
- バックアップ体制:病気や事故の際のサポート体制について確認しましょう。
- コミュニケーション:定期的な報告や相談の機会があるか、確認しましょう。
フリーランスに経理代行・アウトソーシングに依頼することで、費用を抑えることはできます。しかし、フリーランスは依頼相手により能力差が激しいことを知っておきましょう。
単に安価なサービスを選ぶのではなく、自身のビジネスニーズに合ったサービスを提供できる人材、かつ業務を遂行できる能力・スキルを事前に見抜くことが重要です。
経理代行・アウトソーシングの費用が決まる5つのポイント
経理代行・アウトソーシングサービスの費用は、依頼する業務の他に、以下の5つのポイントによって決まります。
- 業務を行う場所
- 短納期・スピード対応
- 品質・報告体系
- 作業頻度・処理する量
- システム開発・構築・導入
- 社内税理士がいるかどうか
これらを知っておくことで、経理代行・アウトソーシングの費用相場より安くすることができる可能性があります。
業務を行う場所
業務を行う場所によって、経理代行の費用は大きく変わります。主に以下の3つのパターンがあります:
- オンサイト(クライアント企業の事務所):
- メリット:直接的なコミュニケーションが可能、セキュリティ面で安心
- デメリット:交通費や席料が必要で、一般的に最も高額
- 費用の目安:月額30万円〜80万円(週1日〜週5日の常駐の場合)
- リモート(経理代行会社のオフィス):
- メリット:経理代行会社の設備やシステムを活用でき、効率的
- デメリット:直接的なコミュニケーションが難しい場合がある
- 費用の目安:月額10万円〜20万円(業務量による)
- クラウド型(オンラインで完結):
- メリット:場所や時間の制約がなく、最も低コスト
- デメリット:高度な相談や複雑な業務処理が難しい場合がある
- 費用の目安:月額5万円〜10万円(業務量による)
実際の費用は、業務内容や頻度によって大きく変動しますが、一般的にオンサイト>リモート>クラウド型の順で高額になる傾向があります。
短納期・スピード対応
急ぎの対応や短納期の要求がある場合、通常より高額になる傾向があります。具体的には以下のような場合が考えられます:
- 当日対応:通常料金の1.5倍〜2倍 例:急な資金調達のための財務諸表作成、緊急の税務調査対応など
- 休日対応:通常料金の1.5倍〜2倍 例:月末が休日の場合の給与計算、年末年始の急な決算対応など
- 夜間対応:通常料金の1.2倍〜1.5倍 例:海外取引先とのタイムラグによる深夜の仕訳作業など
- 短納期プロジェクト:通常料金の1.2倍〜1.5倍 例:1ヶ月で行う作業を1週間で完了させる場合など
これらのスピード対応や短納期対応が頻繁に必要な場合は、それを見込んだ契約を結びましょう。プランの途中変更が可能かどうかを契約前に必ず確認しましょう。
品質・報告体系
より高品質なサービスや詳細な報告を求める場合、それに応じて費用が上がります。品質と報告体系に関する要素には以下のようなものがあります:
- 正確性の保証:
- ダブルチェック体制:通常料金の1.2倍〜1.5倍
- 税理士や公認会計士による最終チェック:月額5万円〜10万円の追加
- 報告の頻度:
- 週次報告:月額2万円〜5万円の追加
- 日次報告:月額5万円〜10万円の追加
- 報告の詳細度:
- 基本的な財務諸表のみ:標準料金
- 詳細な分析レポート付き:月額3万円〜8万円の追加
- カスタマイズされたダッシュボード:月額5万円〜15万円の追加
- 対面での報告会:
- 月1回の対面報告会:月額3万円〜8万円の追加
- 役員会への出席と報告:回数に応じて10万円〜30万円/回
- 多言語対応:
- 英語での報告書作成:通常料金の1.2倍〜1.5倍
- その他言語での対応:通常料金の1.5倍〜2倍
これらの品質向上や詳細な報告体系は、経営判断のための重要な情報源となるため、コストに見合う価値があるかどうかを慎重に検討する必要があります。
作業頻度・処理する量
日次、週次、月次など作業頻度や、処理する取引量によって費用が変動します。一般的な目安は以下の通りです:
- 記帳業務:
- 月50仕訳以下:月額3万円〜5万円
- 月51〜200仕訳:月額5万円〜10万円
- 月201〜500仕訳:月額10万円〜20万円
- 月501仕訳以上:月額20万円〜(仕訳数に応じて増加)
- 給与計算:
- 従業員10名以下:月額2万円〜5万円
- 従業員11〜50名:月額5万円〜15万円
- 従業員51〜100名:月額15万円〜30万円
- 従業員101名以上:月額30万円〜(人数に応じて増加)
- 請求書発行:
- 月20件以下:月額2万円〜4万円
- 月21〜50件:月額4万円〜8万円
- 月51〜100件:月額8万円〜15万円
- 月101件以上:月額15万円〜(件数に応じて増加)
- 経費精算:
- 月30件以下:月額3万円〜5万円
- 月31〜100件:月額5万円〜10万円
- 月101件以上:月額10万円〜(件数に応じて増加)
これらの料金は目安であり、実際の料金は企業の規模や業種、取引の複雑さなどによって変動します。また、複数の業務を組み合わせたパッケージプランを利用することで、全体的なコストを抑えられる場合もあります。
システム開発・構築・導入
新しい会計システムの導入や開発・構築が必要な場合、追加費用がかかります。システム関連の費用は以下のように分類されます:
- 既存システムの導入:
- クラウド型会計ソフト:月額5,000円〜50,000円程度
- オンプレミス型会計ソフト:初期費用50万円〜500万円、年間保守料10万円〜100万円程度
- カスタマイズ開発:
- 軽微なカスタマイズ:10万円〜50万円程度
- 中規模のカスタマイズ:50万円〜200万円程度
- 大規模なカスタマイズ:200万円〜1,000万円以上
- システム連携:
- 既存システムとの基本的な連携:20万円〜100万円程度
- 複雑なシステム間連携:100万円〜500万円程度
- データ移行:
- 小規模(1,000件未満のデータ):10万円〜30万円程度
- 中規模(1,000〜10,000件のデータ):30万円〜100万円程度
- 大規模(10,000件以上のデータ):100万円〜500万円程度
- トレーニング・運用サポート:
- 基本的なトレーニング:5万円〜20万円程度/日
- 継続的な運用サポート:月額5万円〜20万円程度
これらのシステム関連費用は、初期の大きな投資が必要となりますが、長期的には業務効率の向上やミスの減少によってコスト削減につながる可能性があります。導入を検討する際は、ROI(投資収益率)を慎重に計算し、判断することが重要です。
経理代行・アウトソーシングの費用を抑えるためのポイント
経理代行サービスを利用する際、費用を抑えながら効果的にサービスを活用するためのポイントがあります。以下に詳しく説明します。
- 自社にとって必要な依頼範囲を明確にする
- 提出する資料・情報は最低限用意しておく
- 仕事依頼の頻度を調整する
自社にとって必要な依頼範囲を明確にする
自社に本当に必要な業務範囲を明確にすることが重要です。自社にとってのmustとwantsを考え、まずはmustのみを依頼するのも方法の1つです。
以下の手順で検討しましょう。
- 現状分析:
- 現在の経理業務にかかる時間と人件費を洗い出す
- 社内で対応可能な業務と、専門知識が必要な業務を区別する
- ニーズの優先順位付け:
- 最も負担が大きい業務や、ミスが多い業務を特定する
- 経営判断に直結する重要な業務を洗い出す
- サービス内容の比較:
- 複数の経理代行・アウトソーシング企業のサービス内容を比較する
- 必要な業務だけを選択できるカスタマイズ可能なプランがないか確認する
- 段階的な導入の検討:
- 最初は最も重要な業務だけを依頼し、徐々に範囲を広げる方法を検討する
- 定期的な見直し:
- 3ヶ月〜6ヶ月ごとに依頼範囲を見直し、必要に応じて調整する
例えば、給与計算は社内で対応可能だが、月次決算に時間がかかっている場合、月次決算のみを経理代行に依頼するといった具合です。必要最小限の依頼範囲から始めることで、初期費用を抑えつつ、代行・アウトソーシング企業のサービスの質を確認することができます。
提出する情報・資料は必要最低限は整理しておく
経理代行サービスの効率を上げ、費用を抑えるためには、提出する情報や資料を事前に整理しておくことが非常に重要です。
以下のポイントに注意しましょう。
- 書類の分類と整理:
- 領収書、請求書、銀行明細などを種類ごとに分類する
- 日付順に並べ、クリップやファイルで管理する
- デジタル化の推進:
- スキャナーやスマートフォンアプリを使用して、紙の書類をデジタル化する
- クラウドストレージを活用し、経理代行会社と共有できる環境を整える
- 取引内容の明確化:
- 特殊な取引や不明瞭な支出には、簡単な説明メモを添付する
- 経費の目的や参加者など、必要な情報を記録しておく
- データ入力の標準化:
- Excelやスプレットシートを使用し、取引データを一定のフォーマットで入力する
- 勘定科目や取引先名称の表記を統一する
- タイムリーな提出:
- 月末や締め日に合わせて、定期的に資料を提出する
- 遅延が生じそうな場合は、事前に経理代行会社に連絡する
例えば、領収書をただ箱に詰めて渡すのではなく、日付順に並べ、デジタル化して共有フォルダにアップロードしておくことで、経理代行・アウトソーシング企業の作業時間を大幅に削減できます。作業時間に基づいて請求される場合はコスト削減につながります。
依頼の頻度を調整する
経理代行・アウトソーシングサービスの費用をカットするには、何でもかんでも依頼しすぎないよう、依頼頻度を下げることも大切です。
以下のポイントを参考に、自社に最適な頻度を検討しましょう。
- 日次業務の最小化:
- 毎日の仕訳入力や残高確認など、日次で行う業務を最小限に抑える
- 可能な限り、週次や月次にまとめて処理する方法を検討する
- 日次の費用目安:1日あたり5,000円〜20,000円の追加
- 週次業務の効率化:
- 請求書発行や支払処理など、週1回にまとめて行える業務を特定する
- 週次報告が必要な場合、簡易的なものと詳細なものを分ける
- 週次の費用目安:週1回の処理で月額2万円〜5万円の追加
- 月次業務の充実:
- 月次決算、給与計算、税務申告など、月1回の頻度で十分な業務を整理する
- 月初めに前月分をまとめて処理することで、効率を上げる
- 月次の標準的な費用目安:月額10万円〜30万円(業務量による)
- 四半期・年次業務の計画:
- 決算業務や税務申告など、年間スケジュールを立てて計画的に依頼する
- 繁忙期を避けて依頼することで、割増料金を回避できる可能性がある
- 四半期決算の費用目安:四半期ごとに20万円〜50万円の追加
- 年次決算の費用目安:年間50万円〜200万円(企業規模による)
- オンデマンド対応の活用:
- 急な資金調達や監査対応など、臨時の業務はオンデマンドで依頼する
- オンデマンド対応の費用目安:1回あたり5万円〜20万円(作業量による)
例えば、日次の仕訳入力を週1回にまとめ、月次決算と給与計算を月1回の頻度で依頼し、年次決算と税務申告のみ年1回依頼する、といった具合です。このように依頼頻度を調整することで、月額の固定費を抑えつつ、必要なサービスのみを受けることができます。
自社で簡単にできることはやる
自社で対応可能な簡単な作業は内製化することで費用を下げることができます。
以下のポイントを参考に、自社でできる業務を検討しましょう。
- 領収書の整理と保管:
- 日付順に領収書を整理し、専用のファイルに保管する
- スマートフォンアプリを使用して、その場で領収書をデジタル化する
- 推定される工数削減:月2〜5時間程度、費用削減効果:月1万円〜2.5万円
- 売上データの入力:
- 日々の売上データをExcelやGoogleスプレッドシートに入力する
- POSシステムがある場合は、データの出力と整理を行う
- 推定される工数削減:月5〜10時間程度、費用削減効果:月2.5万円〜5万円
- 銀行口座の残高確認と入出金記録:
- インターネットバンキングを活用し、定期的に残高と入出金を確認する
- 簡単な入出金記録をExcelで管理する
- 推定される工数削減:月2〜4時間程度、費用削減効果:月1万円〜2万円
- 経費精算書の作成:
- 社内で統一したフォーマットを使用し、従業員自身が経費精算書を作成する
- オンラインフォームを活用し、データ入力の手間を省く
- 推定される工数削減:月3〜6時間程度、費用削減効果:月1.5万円〜3万円
- 請求書の発行:
- テンプレートを活用し、定型的な請求書は社内で作成する
- クラウド型の請求書作成ソフトを利用し、効率化を図る
- 推定される工数削減:月4〜8時間程度、費用削減効果:月2万円〜4万円
- 給与計算の基礎データ作成:
- 勤怠管理システムを導入し、労働時間データを自動集計する
- 残業時間や休日出勤などの特殊なケースのみ、人事部門でチェックする
- 推定される工数削減:月3〜6時間程度、費用削減効果:月1.5万円〜3万円
これらの業務を自社で行うことで、経理代行サービスの作業量を減らし、費用を抑えることができます。ただし、自社で行う作業にも間接的なコストがかかることを忘れずに、総合的に判断することが重要です。また、自社で行う業務の品質管理も重要で、ミスが多発するようであれば、結果的にコスト増につながる可能性があります。
適切なバランスを見つけることが大切で、例えば最初の3ヶ月は全ての業務を経理代行サービスに依頼し、その後徐々に自社でできる業務を増やしていくといったアプローチも効果的です。
経理代行・アウトソーシングならアイエーピーにお任せ
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経理業務を外注するだけでなく、経理部門を強化したり、戦略的な管理会計を実施されたい場合や、M&A、IPOの経理・会計業務、国際ビジネスの会計までご依頼いただくことができます。
経理代行・アウトソーシングは、信頼できる会社選びが重要です。アウトソーシングして経理部門が弱くなってしまうのは本末転倒です。
アイエーピーでは、初回相談・見積もりを無料で承っており、お客様の現状と課題をヒアリングした上で、最適なプランをご提案いたします。
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